ラップ療法のメリット、デメリットの話~犬の床ズレケア(6)


こんにちは。
Office Guriの諸橋直子です。

 

さて、前回のメールで

 

「生理的食塩水はしみない」

 

「なので傷口のケアに最適」

 

「床ズレの洗浄にもおすすめ」

 

「皮膚をかきむしってしまうようなトラブルを抱える犬の場合
 シャンプーする代わりに、皮膚の状態が落ち着くまで
 生理的食塩水で洗浄を行う、というのもひとつの選択肢」

 

と言うお話をしました。

 

今日はこのように

 

「生理的食塩水で洗った傷口を”保湿”しながら保護する」

 

というラップ療法の具体的な方法をお話ししていきます。

 

清潔にした傷口に「ワセリン」を塗ります。

その上からラップをして、傷口を保護します。

 

以上!

 

 

…。

 

 

 

だと、何だか片手落ちなのでもう少し掘り下げて説明します。

 

ワセリンは薬局などで売っています。
ひびわれ、あかぎれの際に塗る保湿剤としてもよく使用されます。

 

そして、保湿をしながら傷の治りを待つメリットには
以下のようなものがあります。

 

 

●細胞は基本的に、保湿された環境下で再生される。

 

●傷が乾燥してカサブタができると「かゆみ」を感じる。
 そのため動物はひっかいたり、かきむしったりして
 治りかけのカサブタを壊してしまうケースも多い。
 ラップ療法だとこの「かゆみ」が軽減される。

 

つまり、清潔に保ったうるおいのある環境下で
細胞を「培養」するようなイメージで治癒を待つ、というのが
ラップ療法の考え方です。

 

その一方で…。

 

「ワセリンって石油から精製されるんですよね?

それって体に良くないんじゃないでしょうか…?
ちょっと心配です…」

 

というような考え方をお持ちの方も、時々いらっしゃいます。

 

 

なので、ここで私の考えを述べておきますね。

 

 

…。

 

 

「モノは使いよう!」

 

 

例えば、「ステロイド」というだけで
拒絶反応を示す方も時々いらっしゃいます。

 

 

ただ、過去にぜんそくと診断され、
吸入型ステロイドを吸っていた経験を持つ私から
一言言わせていただくと…。

「ひどい症状をとりあえず”押さえる”と言う対処療法も大事です。
だって実際問題苦しいので!」

 

喘息になると、発作のような咳に苦しむことになるので
息をすること自体がまず大変になります。

 

なので、まずは気道の炎症を抑えて
これは苦しい…やばい!という状態を納めることは大事です。

 

「ステロイドなんて!」

 

という拒否反応を起こしてステロイド吸入をしないと
確実に息できなくて死にます、というレベルの発作に見舞われますから

 

「まずは、辛い症状、生き死にに関わる症状は押さえましょう」

 

と言うのも結構大事ですよ、というケースもあることを
お伝えしたいと思います。

 

ただ、私のケースでいうと
ステロイドはあくまでも「対処療法」であり…。

 

根治に至る道はまた別ルートだったため
長期の使用はしませんでしたが
やはりひどい咳の発作を一時的にでも鎮めてくれる、
という点ではありがたかったです。

 

おかげで、発作の無い状態の時に
冷静に次の手を考えたり、実際に手を打ったりして
現在根治しているわけですから。

 

ステロイドもワセリンも、
所詮は「モノ」であり「手段のひとつ」です。

 

なのでラップ療法を選択し
犬が痛い思い、痒い思いをしないで床ずれが治るまでの期間を過ごせるための
ひとつの方法、として考えてみる、というのは
個人的に「あり」だと考えています。

 

そうやって治るのを待つ間に

 

「床ずれにならないためには、我が家の場合どうしたいいのか?」

 

を考えることができます。

 

そして最終的に「床ずれにならない方法」を見つけて
それを実践してあげるまでの間、
一時的に利用させてもらう、と考えるのであれば
その期間、上手く使えばいいだけの話です。

 

目的は

 

「できてしまった犬の床ずれを適切にケアする」

 

さらに、

 

「今後床ずれができないような方法を考えて、実践する」

 

ですから、
その目的にたどり着けるように
飼い主さんが納得できて、犬も痛い思いをしなくて済む方法を
選択できればベストですね。

 

今回ご紹介したラップ療法が、飼い主さんと犬たちにとって

 

「目的を達成するための選択肢のひとつ」

 

となれば幸いです。

 

本日は以上です。

ドッグホームケアセラピスト
諸橋直子

(終)

 


 

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傷にしみない生理的食塩水の自宅での作り方~犬の床ズレケア(5)


こんにちは。
Office Guriの諸橋直子です。

 

さて、前回のメールで
「生理的食塩水で傷口を洗うとしみない」と言うお話をしました。

 

今日はその「生理的食塩水」の作り方です。

 

ざっくり言うと、濃度0.9%の食塩水を作ればOKです。

 

ということは…。

 

1Lの水に対し、9gの食塩を溶かせばできあがりです。

 

厳密な化学実験に使用する、と言う場合には
これだとざっくりすぎる作り方ですが
家庭で床ズレのケアに使うのであれば、
このやり方でOK。

 

少々濃度が濃くても、それで何か不具合が起こる!というものではありません。

 

私はガラスのカップに水500ccを入れ
塩をざっくり4.5g入れ
ぐるぐるかき混ぜて作っています。

 

もっと簡単にやりたい方は
500ccのペットボトルを用意してそれに食塩4.5gを入れて
作ってみてください。

 

ちなみに塩はごく普通の塩でOKです。
(高級な塩などをわざわざ買って使う必要はありません)

 

ポイントとしては、保存が効かないので
使うたびに作ることです。

 

また、体温に近い温度まで温めて使うことで
より刺激が少なくなります。

 

生理的食塩水の作り方は
ご理解いただけたいでしょうか?

 

ちなみに私は犬用石鹸を販売しているという仕事柄、

 

「犬が痒がって皮膚をかきむしります。
 そのため血が出てしまい、皮膚が傷だらけですが
 どの石鹸がお勧めでしょうか?」

 

と言うご相談をたびたびいただきます。

 

こういう状態の場合は、シャンプーは当然「しみます」から
まずは生理的食塩水で優しく洗う、という方法をお勧めしています。

 

そして、かきむしるほど皮膚が痒い、ということの原因を
かかりつけの獣医さんに根本から治療していただくよう
アドバイスしています。

 

痒い=皮膚バリアは壊されて
異物が侵入し、その刺激で痒くなる、という図式ですから
石鹸よりもまずは保湿、
そしてそもそも何故、皮膚バリアが弱ってしまっているのか?という
原因を探ることが重要です。

 

なのでもし、皮膚トラブルで犬が体を痒がり
そのせいで傷が…と言う場合は、生理的食塩水による洗浄も
選択肢の中に入れてみてください。

 

次のメールでは
洗浄後の傷口を「保湿しながらケアする」ラップ療法の
具体的なやり方をお話ししますね。

 

本日は以上です。

ドッグホームケアセラピスト
諸橋直子

(終)

 


 

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