犬の薬膳基礎知識

中医学の生理学「気」「血」「水」 | 犬の手作り薬膳ごはん

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薬膳では体の生理機能を「(き)」「(けつ)」「(すい)」という概念で理解します。

中医学の基本の「生理学」

犬の薬膳は「犬の体の状態」に合わせるのが基本ですが、この「体の状態」を知るために「気・血・水」を理解することが必須です。

この記事では犬の薬膳初心者向けに解説していきます。

気(き)

は生命活動を営む上で欠かせない、生理・代謝活動と考えることができます。には以下の働きがあると考えられています。

  • 生理機能を促進
  • 体を温める
  • 病気から体を守る
  • 体液が漏れ出ないよう管理する
  • 食物をエネルギーに変え、体内で利用し、排泄する
  • 臓器や組織に栄養を行き渡らせる

この「」の流れが滞った状態を「気滞証(きたいしょう)」、「」が不足した状態を「気虚証(ききょしょう)」と呼びます。

気滞証

気の流れが滞ることによって起こります。ストレス、緊張が原因となることが多いとされています。

犬もストレスを感じる場面が多いです。以下は犬のストレスとなる要因です。

  • 苦手な場所(動物病院など)
  • 苦手な犬・人
  • 引っ越しなどで生活環境が大きく変わる
  • 新しい犬を迎えた、または家族が減った
  • 雷、花火などの大きな音
  • 運動不足
  • 適切でない温度

犬の性格によって何をストレスと感じるか?は変わってきます。飼い主さんが犬の性格を把握し、過度なストレスは取り除くことで改善が期待できます。

気滞証の主な症状:

  • 精神不安
  • 緊張感
  • 食欲不振
  • お腹の張り、ガスが溜まる
  • イライラ

気滞証にお勧めの食材:
そば・えんどう豆・みかん・ピーマン・オクラ・キャベツ・レタス

気虚証

臓器・組織の機能低下によって起こります。生まれつきの虚弱体質、過労、長引く慢性疾患、加齢などによって起こると考えられています。

気虚証の主な症状:

  • 息切れ
  • 疲れ
  • 動くと症状が悪化する
  • 食欲不振

気虚証にお勧めの食材:
もち米山芋ジャガイモキャベツ・鶏肉・牛肉

血(けつ)

血は血管を流れる赤い液体のことを指します。いわゆる「血液」ですが、薬膳では現代医学で考えられている血液よりも、より広範囲の働きを「血」の作用と捉えています。

血には以下の働きがあると考えられています。

  • 臓器・組織に栄養を供給し、潤す
  • 精神を安定させる

血は全身に栄養と水分を届けると同時に、精神の充実、意識を明晰にする働きを担うと考えられています。

」が質・量ともに不足した状態を「血虚証(けっきょしょう)」、「」の流れが滞り起こる体の不調を「血瘀証(けつおしょう)」と呼びます。

血虚証

血の質・量の不足によって起こります。食欲不振によって血液の中に流れる栄養の不足、内出血や外傷などによって大量に血液が失われることが原因となります。

血虚証の主な症状:

  • 歯茎・唇の色が薄い
  • 目まい
  • 四肢の痺れ
  • 皮膚・被毛のパサつき、乾燥

血虚証にお勧めの食材:
ほうれん草・小松菜・にんじん・黒米・黒豆・羊肉・卵・牛乳

血瘀証

血行不良によって起こる体の症状を指します。冷え、気滞、気虚、外傷などによって引き起こされます。

血瘀証の主な症状:

  • チクチクと針で刺すようなあ体の痛み
  • 触ると痛みが増す、夜になると悪化
  • 皮膚のキメが粗い

血瘀証にお勧めの食材:
えんどう豆・みかん・黒豆・小豆・大豆・カツオ・タラ

水(すい)

」は体内の正常な水分を指します。胃液、腸液、汗、涙、唾液など。

」は食事によって取られた飲食物から分離されて作られます。水は必要に応じて体内で利用され、不要分は尿・便などから排泄されます。

水には以下の働きがあると考えられています。

  • 皮膚・被毛・臓器をう潤す
  • 関節を潤し動きそなめらかに保つ
  • 耳・目・鼻・喉を潤し、保護する
  • 便・汗・尿などとして老廃物を排泄する

」が不足すると「津液不足証(しんえきふそくしょう)」、水の代謝が滞ると「水滞」となります。

津液不足証

陰虚症とも呼ばれます。「水」の不足によって起こる体の乾燥を伴う諸症状を指します。

水分摂取の制限、胃腸の機能低下、高熱、嘔吐、下痢、多尿などによって起こります。

津液不足証の主な症状:

  • 喉の渇き
  • 皮膚の乾燥、かゆみ
  • 皮膚のキメが粗い
  • 被毛にツヤがない
  • 便秘
  • 尿量の減少

津液不足証にお勧めの食材:
小松菜・アスパラガス・ごま・いちご・豚肉・卵・牛乳・チーズ

水滞

水」の代謝が停滞することで起こります。主にむくみを伴います。

慢性の疾病、慢性疲労、湿度の高い気候の影響、胃腸の機能低下などによって起こるとされています。

水滞の主な症状:

  • むくみ
  • 尿量の減少
  • 疲れ
  • だるさ
  • 冷え
  • 腹部の膨満感
  • 下痢

水滞にお勧めの食材:
生姜・紫蘇・冬瓜・セロリ・白菜・ハトムギ・小豆・黒豆・大豆

犬の薬膳は「体の状態」に合わせるのが大切

薬膳は体に合わせて食材を選ぶオーダーメイドの食事です。

愛犬の健康状態を知りためにはいくつかの指標がありますが、今回は薬膳の生理学「気・血・水」の視点をご紹介しました。

愛犬の体調チェックにはこの他に「五臓」の状態に合わせる考え方、「季節」に合わせる場合などがあります。

さらに深く学んでみたい方は「五臓の働きを助ける薬膳食材」「季節に合わせた薬膳」も合わせて参考にしてください。

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