手作りごはん基礎知識

初心者向け「犬の手作りごはん基礎講座」を準備中

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犬の管理栄養士アドバンスの諸橋直子です。現在、『犬の手作りごはん「超」初心者向けオンライン講座』を作成しています。テキストづくりがいよいよ佳境に入り、10月上旬には必要としている方にお届けできそうです。そこで今回は「手作りごはん初学者には何が必要か?」というテーマでお話ししようと思います。

「手作りごはん初心者」の持つ情報量は増えている

私自身の話を少しします。現在16歳の老犬を飼い始めたことをきっかけに、手作りごはんをはじめました。16年前の話です。当時は情報も資料も、現在とは比べ物にならないほど少ない時代でした。あっても本が数冊と、あとはあまり実用的でない、外国語書籍の翻訳もの。

なんていう話をすると「昔はスマホがなくて、連絡は公衆電話から…」と語るおじいちゃんのようです。しかし、「手作りごはん」を取り巻く環境は実際に、スマホが全く無い時代から、スマホがほぼインフラになった現代と同じくらいの変化がありました

まず、手作りごはんの書籍の多さが挙げられます。著者も以前は獣医師が多かったですが、現在では料理研究家、犬の管理栄養士など様々な人たちが手作りごはん本を執筆しています。次に「手作りごはんレシピ投稿サイト」の登場が挙げられます。おかげで、クックパッド並に犬のごはんレシピも検索できるようになりました。

これはすなわち、犬の手作りごはん人口が増えていることを意味します。通信販売で、加工済のレトルトパウチ手作りごはんを買えるようにもなりました。こうしてみると、本当に手作りごはんは以前と比べると一般化し、受け入れられてきたのだな、と感じます。

さらに「手作り人口が増える=基礎知識や技術レベルも上がってきている」と推測します。これは、家庭料理感覚で犬の食事を作り、レシピ専用サイトに投稿する人たちがたくさんいることからも、伺いしれます。

つまり「初心者と言っても、実際は持っている情報も知識量も、以前と比べて格段に増えている」と言えるのではないか。それなら「初心者講座」のレベルも上げなくては、というのが、今回の新講座の裏テーマです。

「情報」は系統的に理解して、はじめて役に立つ

さて「現在では、手作りごはん初心者の方でも相当量の情報や知識を持っている」という私の考えを先程書きました。しかし、「情報量が多い=ある分野の知識を体系立てて理解できているわけではない」という点は、理解しておく必要があります。

ネット検索の普及で入手できる情報の「量」は確実に増えましたが、それは、情報の「質」を保証するものではありません。中には明らかに間違ったもの、意図的にミスリードを狙うものもあります。ネット検索は便利な半面、適切な情報を選り分ける能力も、検索者に求められることになります。何より、検索で必要な情報がすべて手に入る、というのは無邪気な発想とも言えます。特に健康に関する知識や情報は、ネット以外の書籍をあたることも大切です。

もうひとつ大切な点を指摘しておきます。健康についての知識を日常生活や食事改善に活かそうという場合、知識は「体系立てて」理解することが大切です。体系立てて理解されない状態の知識は、いわばネックレスの石がバラバラの状態であるのと同じです。1つ1つの石がいくら貴重で有益なものだとしても、このままでは首に飾ることはできません。

知識には、それらを結びつけ、関連付けをした上で全体で活かせるような「体系立ての理解」が必要です。つまり、ネックレスの石を結びつける「」の役割を果たす物が要ります。この「」に相当するのが「体系立てた学習」です。具体的にはまず、犬の食事について「基礎」から学ぶこと。「基礎」を積み上げた上で、さらに専門的な知識や応用を学ぶ、いわば王道的な学習です。何を学ぶ上でも、「基礎」がまず大事だよ、ということですね。

「基礎」からみっちりやる講座を作っています

というわけで、犬の手作りごはんを初心者向けに「基礎」からみっちりやる講座を作っています。扱う内容はあくまでの「基礎」なのですが初心者向けに「易しい内容」かというと、そうではありません。具体的には、犬の1日のエネルギー要求量を計算してみたり、栄養学の基本を学習してみたりします。あとは課題をいくつか盛り込んでいます。課題を提出していただくことで、学習者自身が知識を自分のものにできるよう、講座をデザインしています。

そんなわけで、犬の手作りごはん初心者の方で「基本からしっかり学習し、不安のない状態で犬の食事作りに取り組みたい」という方は、是非講座を楽しみにお待ちください。

この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
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