犬と害虫対策

蚊とマダニの季節がやってきた!(3)マダニを知ろう、対策しよう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Office Guriの諸橋直子です。虫よけシーズン到来に伴い「犬の害虫対策」をテーマにお届けしています。

過去記事はこちら:

蚊とマダニの季節がやってきた!(1)シーズンの始まり| 犬の虫対策
蚊とマダニの季節がやってきた!(2)フィラリア投薬の「意味」を知る

今回は「マダニを知ろう、その上で対策しよう」をテーマにお話しします。

マダニはあらゆる病気の原因になる。アレルギー性皮膚炎に引き金にも

はじめに、「そもそもマダニに噛まれると、どういう困ったことになるか」についてお話しします。

まず、見た目が気持ち悪いですよね。

加えて、マダニはあらゆる感染症の原因となります。マダニによって媒介される犬の感染症は以下の通り:

  • バベシア症
  • ライム病
  • エールリヒア症

これ以外にもマダニに噛まれることで、アレルギー性皮膚炎を発症することもあります。

さらに、このメルマガでは繰り返しご紹介していますがマダニに噛まれることにより、人間も命の危険にさらされます

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」という言葉をニュースなどで聞いたことがある、という方もいらっしゃるかもしれません。

これは人がマダニに噛まれる事により起こる感染症で治療法は確立していません。基本は起こってくる症状に対し、対処療法が行われます。

症状は以下の通りです:

  • 主に原因不明の発熱
  • 消化器症状(食欲低下,嘔気,嘔吐,下痢,腹痛)
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 神経症状(意識障害,けいれん,昏睡)
  • リンパ節腫脹
  • 呼吸器症状(咳など)
  • 出血症状(紫斑,下血)

出典:マダニの感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に注意しましょう!! | 広島県 
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hcdc/sfts-yobou.html

対処療法で回復する場合もあれば、残念ながら亡くなってしまうこともあります。

こんな風にマダニは犬にとっても厄介ですが、人間にとっても危険な存在なのです。

マダニは「予防」と「駆虫」ダブルで対策を

さてそんなマダニですが、まず「噛まれないようにすること」がとても大切です。

すでに述べたように、マダニに噛まれるだけで犬はアレルギー性皮膚炎のリスクにさらされます。

それにプラスして、ライム病などの感染症リスクにも晒されるため、マダニに噛まれることは百害あって一理なし。

繁殖のために栄養を必要としているマダニは犬の血を吸って満足でしょうが、犬にとってメリットなどひとつもありません。

なのでマダニには、そもそも犬に近づいてもらいたくないものです。

しかし、それでもマダニがどうしても散歩の最中にくっついてきてしまう、ということが起こってきます。

そのときに発動するのが、プランB=マダニの駆除、です。

一般的な駆虫薬は、犬の背中や首筋に垂らすことで全身に薬液が行き渡るスポットタイプです。

マダニが犬の体についてもこの薬がマダニに作用し、速やかに駆除してくれる仕組みです。

ここでわかることは、

  • マダニを体につけないことがまず大事
  • 万一付いてしまった場合のために、駆虫薬は必須

という2段階の対策が必要ということです。

マダニを寄せ付けないためにできること

マダニを寄せ付けないためには、まず相手を知ることが大切です。

以下は、マダニの住んでいる場所です。

  • 草むら
  • あぜ道
  • 野生動物が多い環境(野山)

次にマダニは、どうやって犬や人を検知し、狙ってくるか?挙げます。

  • 二酸化炭素
  • 体温
  • 匂い

マダニはほぼ目が見えません。そのため、動物の吐く息(二酸化炭素)や体温、動物の体臭を頼りに獲物を狙います。

こうした要素を組み合わせてわかることは、動物らしい匂いを持つ犬が、散歩で嬉しそうに息を弾ませて草むらに顔を突っ込む、という行為はダニにとって

「わあ、ごちそうがきた」

という格好のチャンスということです。

そのため、私たち飼い主はマダニがいそうな草むらや山歩きの際、犬には草むらに入るのを遠慮してもらうことが、マダニから身を守る上で大切だと理解できると思います。

マダニから大切な犬を、そして飼い主さんご自身の身を守っていただくのに役立つため、マダニについての基本的性質を今回はお話ししました。

このあたりのお話は、厚生労働省が気合を入れて啓蒙活動に取り組んでいます。なのでこちらの資料もぜひ、犬飼いの皆さんは参考にしてみてください。

いろいろなイラスト付きポスターが用意されていてマダニの予防対策について知ることができます。

ダニ感染症 | 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html

見た目も気持ち悪い上、病気をもたらすマダニは全力で回避したいところですね。

次回は、ここかさらに一歩進んで

「犬にマダニを寄せ付けないために、飼い主が【積極的】に出来る【攻め】の対策」

についてお話しします。

この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
最新号の配信を希望の方はバナーをクリックしてお申し込みください。無料でご購読いただけます。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加