犬の手作りごはん栄養学

「犬の手作りごはん」に必要な基礎知識

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Office Guriの諸橋直子です。さて、先日メルマガを通して『犬の食事の選択肢が多い今、「手作りごはん」を選んだきっかけを、ぜひ教えてください』というご協力を読者の皆さんにお願いしました。これに対し、たくさんの方からクリックによる回答をお寄せいただきました。ご協力頂いた皆さん、ありがとうございました。

また、メールで直接、手作りごはんをはじめたきっかけをお寄せ頂いた方々もたくさんいらっしゃいました。1通1通、拝見しています。今日はお寄せ頂いたメールの中からピックアップしてご紹介させていただきます。

犬の手作りごはんを作るには、基礎知識が大切

手作りご飯に興味を持ったきっかけは、市販のドライフードの種類があまりにも多くて、いい物を買い続けると経済的に厳しいし、安い物は材料や保存料などが心配…それなら昔の様に家族が食べる物を取り分けて味付けをせずにあげる方が安心かと思いました。

しかし素人が勝手な思い込みで作ると、犬に必要な栄養が足りなくなったり、食べさせてはいけない消化の悪い物などもあげてしまいそうだと思ったので、ちゃんと勉強しようと思いました。

やはり愛犬が9歳の時に急に肝臓癌が破裂し、一命を取り留めた時にフードの事を真剣に取り組むきっかけになったと思います。

(rueさん)

rueさん、メールありがとうございます。

しかし素人が勝手な思い込みで作ると、犬に必要な栄養が足りなくなったり、食べさせてはいけない消化の悪い物などもあげてしまいそうだと思ったので、ちゃんと勉強しようと思いました。

これは本当に大切な考え方です。現在、手作りごはんが一般化し、多くの人が行うようになりました。一方で、基礎知識がないまま始めてしまい、犬の健康を損なうケースも残念ながら出てきています

このことは、環境省が配布する「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」にも記載されています。以下、引用です。

手作りフードには利点もありますが、十分な知識が必要です。

手作りフードのメリットは、使い食材や調理方法を飼い主自身が100%把握できることでしょう。

ただ、犬や猫が必要としているフードの栄養バランスは、私たち人間とは大きく異なっていますし、動物の種類によっては、ビタミンやアミノ酸の必要量も違っているなど、犬あるいは猫の栄養バランスやライフステージによって変化する栄養要求量を満たす最適なフードを作るためには、ペットの栄養に関する十分な知識が必要です。

犬や猫の栄養バランスや必要量、与えてはいけない食材などをよく理解した上で、チャレンジしてみてください。どのようなレシピにするかなど、専門家に相談するのもよいでしょう。

環境省 | 飼い主のためのペットフードガイドライン


必要最低限の知識がないままで犬の手作りごはんをはじめてしまうと、それが元で健康上のトラブルにつながることがあります。また、同パンフレットには以下の記載もあります。

生肉や生魚も要注意です

「犬は肉食動物だから生肉を与えています」、「猫は肉食動物だから、生肉や生魚だけど与えています」、という方がいらっしゃいます。

犬は雑食性の動物ですが、生肉だけを長い間与え続けていると、栄養バランスの偏りから、犬が本来必要としていて、食餌から補給しなければいけないビタミン類やミネラル類が不足してしまいます。このため、カルシウムやリンの不足あるいは過剰から骨格の異常がおこったり、食物繊維の不足から下痢をしたり、脂肪のか帖から肥満などを招くことがあります。

(猫のみに関する記述につき、中略)

このように、犬や猫には肉や魚以外の食材も与えて、栄養の偏りを防ぐことが重要です。また、肉や魚は、生のまま与えると内部寄生虫が発生したり、細菌性中毒などを起こす可能性があるため、加熱調理したものを与える方がより安全性が高まります。

環境省 | 飼い主のためのペットフードガイドライン

生肉を与えることについては、様々な意見があります。引用中にも記載があるとおり、生肉には寄生虫、病原菌汚染の可能性があります。これについては「新鮮なものであれば大丈夫」という誤解もされています。しかしながら、食肉は解体の過程で、病原菌汚染のリスクがあり(これはどんなに衛生管理を徹底しても、100%避けられるものではありません)鮮度がよければ安全である、とは言えません。魚については近年、アニキサスが話題になっていますが、これも新鮮な魚であれば大丈夫、ではなく「その魚に寄生虫がいるか、いないか」の問題です。

生の肉や魚を与える場合は、このようなリスクも十分に考慮した上で、選択することが大切です。

「偏りなくいろいろ食べる」が、基本

根拠に欠けた思い込みや、偏った食事は犬の健康を損ねます。これは人間の食生活にも同じことが言えます。「偏りなくいろいろ食べる」は、基本中の基本です。犬の食事に関する情報で迷ったら、この基本に立ち返ってみることは、多くの飼い主さんにとって、有益なことであると私自身は考えています。

犬の病気をきっかっけに、食事について考えるようになりました、というメールを今回本当にたくさんいただきました。犬にとって健康的な食事とはなにか?を考える際、

  • 犬にとって適切な食事とは?の基礎情報
  • 栄養に関する知識

は不可欠です。

今後もこのメルマガや、講座を通して必要な知識を必要とされる方へお届けしていきたいと考えています。今回メールをお寄せくださったみなさん、アンケートへクリックで回答してくださった方々、本当にありがとうございました。

犬の手作りごはん、超・初心者向け」のオンライン学習講座は現在作成中です。その後、栄養学などをひとおり学んだ方向けの「上級カリキュラム」も組む予定ですので、興味のある方は、是非楽しみにお待ち下さいね。

この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
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