中医学基礎知識

犬の東洋医学(中医学) | 体質チェックをやってみよう

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Office Guriの諸橋直子です。日本ペットマッサージ協会認定 | ペット東洋医学アドバイザーの有資格者です。

東洋医学と呼ばれるのは、一般的に中国古典医学(=中医学)を指します。

中医学の治療法には

  • 薬物療法(漢方薬、中薬)
  • 鍼灸
  • 食事療法(薬膳)

などがありますが、これらの治療法を決定する上で大切なのが「体の状態を知ること=体質診断」です。

中医学では何はさておき「体質診断」。体質の違いで、たとえ同じ症状であっても対応方法が変わることがあります。

この記事では「犬に中医学の考え方を取り入れ、セルフケアに役立てたい」と言う飼い主向けに、「中医学的体質セルフチェック」をご紹介します。

初心者は「8つの体質」で考えよう

中医学的体質診断の方法は数多くあります。その中でも初心者向けで、セルフチェックがしやすいのは以下の8つです。

  • 気虚(ききょ):エネルギー不足で元気がない
  • 血虚(けっきょ):血液が栄養不足。ふらつきがあり、集中力を欠く
  • 気滞(きたい):代謝異常で体に痛み、お腹の張りがある。ストレス過多
  • 瘀血(おけつ):血行不良
  • 水毒(すいどく):むくみやすく、頭重感、手足の冷えがある
  • 陰虚(いんきょ):潤い不足で肌が乾燥する。毛のパサつき、便秘
  • 陽虚(ようきょ):手足が冷たく下痢、関節痛がある
  • 陽熱(ようねつ):肌が油っぽくベタベタする。吹き出物が多い

以下にそれぞれの体質のチェック項目を挙げます。当てはまるものが多いものが、愛犬の体質です。犬の体質チェックは「飼い主の目から見てはっきりわかるもの」にチェックを入れていきます。

1.血虚

  • 疲れやすく、気力が出ない
  • 下痢をしやすい
  • 手足が冷えやすい。寒がりである
  • 手足に力が入らない
  • 尿が薄くて多い。頻尿である
  • 食欲があまりない。消化が悪い

2.気滞

  • ストレスが多い生活をしている
  • イライラしやすい、怒りっぽい
  • 緊張したり、怒ると具合が悪くなる
  • げっぷがよく出る
  • 排便がスムーズでないことが多い
  • 下痢・便秘を繰り返す

3.血虚

  • 皮膚が感想している
  • 毛が薄く、毛そのものがパサついている
  • 爪が脆い
  • 動きが鈍い
  • 便が乾燥していて固い

4.瘀血

  • 肌荒れしやすい
  • 冷房の冷えに弱い
  • 皮下出血しやすい
  • 全体的に太めの体型である
  • 体の同じ場所に痛みが出やすい

5.水毒

  • 痰がからみやすい
  • 水状の下痢をする
  • 車酔いしやすい
  • 雨の日に具合が悪くなりやすい
  • 胃腸障害を中心とした夏バテになる
  • 毎年、湿度が高い時期に体調を崩す

6.陰虚

  • 暑さや乾燥に弱い
  • 興奮しやすい
  • 冷たい飲みものを好む
  • 皮膚がカサカサして、痒い
  • 爪が脆い
  • 手足がしびれる、筋肉が痙攣する
  • 空咳が出る

7.陽虚

  • 寒がりである
  • 寒くなると体調が悪くなる
  • すぐ息切れがする
  • 下痢しやすい
  • 声に力が無く、あまり吠えない
  • お腹が弱い
  • 手足がいつも冷たい
  • 尿色が薄く、量が多い
  • 便がやわらかい

8.陽熱

  • イライラして怒りっぽい
  • 便秘がちである
  • 常に元気でエネルギッシュ
  • 冬の暖房が苦手
  • 夏が苦手
  • 毛が油っぽい
  • 全体的にがっちりしていて、太り気味である
  • 吹き出物が多い

愛犬はどの体質に当てはまる?

数が多く当てはまったものが愛犬の「現在」の体質です。体質は複数存在する場合があります。また、年齢やその他の条件により少しずつ変わる場合もあります。

大切なのは今、愛犬の体の状態はどうなっているのか?を把握することです。

体質に合わせて食事を考えてみよう | 薬膳ごはん

1〜6までの体質に合わせた「犬の手作り薬膳ご飯」については、下記の記事で詳しく解説しています。参考にしてください。

陽熱、陽虚体質の犬に合わせた手作りごはんは、こちらを参考にしてください。

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