Office Guriの諸橋直子です。今回も「犬の手作りごはんにまつわる疑問あれこれ」をテーマにお送りします。犬の手作りごはんにまつわるあれこれを、飼い主さん自身が「判断」するために、どんな知識を身につけておけば役立つかをお話ししていきます。
判断に必要な知識とは?:初歩的な犬の栄養学、体内での消化の仕組み
最近では学校の家庭科で、基礎的な栄養学と食事の作り方をセットで学ぶようです。
同じように犬の手作りごはんを学ぶ際にも、栄養学と食事の作り方がセットになるのが理想だと個人的には思います。
ちなみに現在の義務教育では、理科で消化の仕組みや栄養素の使われ方の基礎もだいたい同時期に学ぶので、すごく合理的だなと感心しています。(子供の教科書を見て思いました)
また学校の家庭科では栄養素や栄養バランスについて学習した後で、自宅で作るメニューを考えて実際に作ったものを写真撮影して提出する課題もあります。
人間の場合はこのようなプロセスを踏むので、知識と実践がセットで学習できますが、こと犬の食事となるとこんな風に
「栄養学+実践」
を一緒に学ぶ機会がほぼありません。学校のように先生がいて、フィードバックをくれることもありません。
そのため飼い主さんは
「本当にこの手作りごはんで大丈夫だろうか?」
と不安を感じる場面が多々あります。
犬のための栄養学校があるのが理想ですが、実際にはそうもいきません。そのため飼い主さんご自身が
・犬の栄養学
・犬の消化の仕組み
を学ぶ必要があります。
ではこれらの知識をどう学べば良いのでしょうか?
犬の栄養学:栄養素の働きは基本、犬と人間はほぼ一緒
栄養学の基本は「六大栄養素」+「水」のはたらきの理解と、それらが多く含まれている食材の把握が大切です。
六大栄養素とは:
・糖質
・脂質
・タンパク質
・ビタミン
・ミネラル
・食物繊維
のこと。
「水」も栄養学では立派な栄養素です。「水」がないと私たち人間も犬も、生命を維持できません。
さてこれらの栄養素の働きとどんな食べ物に多く含まれているか?を把握するのが、栄養学初心者の方の第一歩です。
その上で「犬の場合」「人間の場合」で違いがある栄養素について、学習するのがおすすめです。
例えば糖質。
糖質はごはん、芋類などに含まれる栄養素でエネルギー源になります。
糖質は様々な食べ物に色々な形で含まれていますが、最終的に「ブドウ糖」に分解されて体内エネルギー源になります。
これは犬も人間も共通です。そのため犬も炊いたごはんを食べて消化し、そこからブドウ糖を取り出してエネルギーとして利用しています。
ところで犬は人間と違ってタンパク質を体内で変換し、糖質に変えることが得意な生き物でもあります。そのため十分な量のタンパク質を摂取できていれば、食事から糖質を取らなくても生きていくことができます。
ひらたく言いかえると
「ごはんが無ければ、肉を食べたらいいじゃない」
で、犬は問題なく生きていけるということになりますが、そうなると相当量の肉を日々犬に食べさせないといけなくなります。
「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」という言葉は有名ですが、パンの代わりにケーキを買って食べ続けるとしたらものすごくコストがかかりますよね。
(ちなみにこの発言がマリー・アントワネットによるものという流説は、現在ほぼ否定されています)
同様に犬に与える食事もエネルギー源として肉をメインにすると、非常にコスト高となります。
そのためエネルギー源としては手頃な穀類を利用し、タンパク源として肉、卵などの動物性タンパク質を加えるの現在、手作りごはん、ドライフード共に主流です。
なのでこの流れを知っていると
「犬の食事に糖質は必須ではないが、その分を全部タンパク質で補うのは大変だしお米を適度に使うのはいいことだな」
と考えられるのですが、
「犬は食事に糖質がなくても、十分なタンパク源があればそこからエネルギーを取り出して生きていける」
が、周り回って
「犬に糖質を与えてはダメ」
「犬に糖質は良くない」
という誤情報となって流布されるケースが目立ちます。
こうした誤情報に接して悩まないためにも、基礎的な栄養素の知識、犬の栄養学の知識は大切だということですね。
誤情報で悩む時間は実にもったいないですし、事前に学習することで避けられるならそれに越したことはないですよね。
というわけで犬の手作りごはんを作る上で、」基礎知識を学んでおくのは大事だよ!というお話でした。
次回の記事では「栄養学を知っておくと、栄養素を無駄にしない調理法も身につきますよ」というお話をしていこうと思います。
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