【犬がアレルギーと診断された】犬のアレルギーとは?原因や対策などの基本情報を徹底解説。

Office Guriの諸橋直子です。

我が家のラブラドール・ケイン君は1歳になる前に「アレルギー疑い」と診断され、除去食を始めました。

この記事は、犬の管理栄養士としてケイン君の除去食と向き合いながら、アレルギーについて客観的な知識を持つことの重要性を実感した私自身が、飼い主さんにわかりやすく「アレルギーとは?」を解説した記事です。

いっぬ君

うちの子が「アレルギーかも?」って動物病院で言われたらびっくりするよね。でも正しい知識があれば、獣医さんの話も冷静に聞けるはず。

なのでこの記事では、飼い主さんが落ち着いてかかりつけの先生のお話を聞いて、理解できるように「犬のアレルギー」について基礎的なこと解説するよ。

ぐりさん

この記事の作成者:Office Guri 諸橋直子
JADP認定上級ペット看護士。
犬の手作りごはんの専門Youtubeチャンネル(登録者数4,160名)運営中。

目次

犬のアレルギーとは

いっぬ君

「そもそもアレルギーって何なの?」

ぐりさん

「本来無害な物に対しても、免疫が反応して自身の身体を攻撃してしまうことをいうよ。それによって様々な不快な症状が現れるよ。」

いっぬ君

「自分自身を攻撃してしまうって、それは困るね!」

ぐりさん

「本当にそれがアレルギーの困ったところだね。不快な症状を起こすのは、自分の免疫が自分を攻撃してしまうからなんだ。」

人間のアレルギーはよく知られていますが、犬もアレルギーになります。近年、犬のアレルギーは増加傾向にあります。

一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラムの記事によると、食物アレルギーは「発症は1歳齢未満から3歳齢までに集中し、ラブラドール・レトリーバー、コッカースパニエル、ゴールデン・レトリバー、ジャーマンシェパードなどに比較的多くみられる」と述べられており、若い年齢での発症が多いことがわかります。

我が家のケイン君の場合も発症時は1歳未満でしたし、犬種はラブラドール・レトリーバーです。

アレルゲンとは?

いっぬ君

「ところでアレルギーではアレルゲンって言葉をよく聞くね。アレルゲンって何なの?」

「ものすごく簡単にいうと、アレルギー反応を引き起こす原因になる物質のことだよ」

アレルゲンとなるものには、例えば食物などに含まれるタンパク質が多くあげられます。

また接触することでアレルギー反応を引き起こす物質もあります。例えば金属、植物、衣服や化粧品など。

吸い込むことでアレルギー反応が引き起こされることもあります。この場合はアレルゲンとして、ハウスダストやダニ、花粉などがあげられます。

いっぬ君

「へ〜、これをみるとアレルギーって食べ物だけが原因じゃないんだね。ちょっと意外。」

ぐりさん

「そうなんだよね。アレルギーっていうと食べ物が思い浮かぶ人が多いと思うんだけど、実はそれ以外にも接触や吸入でも起こるんだ。

だから食事も重要だけど、環境にも目を向けて広い視点で考えることがとっても大事だよ。」

食物アレルゲン

肉、魚、卵となどたんぱく質を豊富に含む食材、乳製品、大豆、小麦、米、とうもろこしなどの穀物がアレルゲンとなることが多いです。

どの食材がアレルゲンになるか?は犬によって異なります。

食物によるアレルギーの場合、特定の食べ物を食べた後に赤みや痒みといった皮膚症状が出る場合もあれば、下痢、嘔吐、排便回数の増加などの消化器症状が出ることもあります。

環境アレルゲン

ノミ、ダニ、砂、ほこり、一緒に生活している人間や動物のフケ、衣服などから出る繊維くずなどのハウスダストや、花粉などがあります。

また決まった季節に症状がひどくなる場合は、花粉症の可能性が考えられます。これはまったく人間と同じですね。

アレルギー症状の種類

アレルギー症状の出方は原因によって様々です。複数の原因が重なっている場合もあります。

そこでここではアレルギーの出方で代表的な3つの症状について解説していきます。

アトピー性皮膚炎

正確な原因は明らかになっていませんが、皮膚のバリア機能の低下による異物の侵入や刺激、食物アレルゲンや環境アレルゲンによるものなど複数の原因が重なり合って発症すると考えられています。

指の間や口周り、耳の内側、目など皮膚の薄いところが赤くなる、腫れて毛が抜ける、皮膚が硬くなるといった症状が現れます。

アトピー性皮膚炎は複数の原因が同時に影響しているケースが多くあります。そのため、食事をアレルギー除去食に変えてもスッキリと治りきらず長引く場合もあります。そんな時は犬の生活環境にも目も向けてみましょう。犬が愛用のベッドやお気に入りの毛布にたまった見えないホコリや、洗剤などが原因の場合もあります。

また気長に付き合う病気と割り切って、生活に支障のない程度の良い状態を目指すという切り替えが大事な時があります。

食物アレルギー

特定の食べ物が原因となり発症するアレルギーです。

決まったフードやおやつを食べた後に、体に赤みが現れたり痒がったりする、下痢や嘔吐の症状がみられる場合は食物アレルギーが疑われます。

いっぬ君

「これは何を食べた時に症状が起こっているか?を観察する飼い主さんの目が頼りだね。」

ぐりさん

何を食べた時に症状が出やすいか?をチェックして、かかりつけの先生に知らせることが、診断の手助けになることもあるよ!」

いっぬ君

「そのためにもアレルギーで起こる症状について、飼い主さんが知っておくことが大事なんだね。」

ぐりさん

その通り!まさにそのために、この記事を書いているんだよ。」

ぐりさん

『わかってくれてうれしいなあ』

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミが犬の体について血を吸う際、唾液が侵入します。その唾液に反応して強い痒みや赤み、発疹が現れることから始まり、痒がった犬がそこを引っ掻いて皮膚炎が起こります。これが飲みアレルギー性皮膚炎です。

いっぬ君

ノミってそもそもどこにいるの?あまりみたことがないんだけれど。」

ぐりさん

「マダニは注意喚起されるけど、ノミはあまり意識されないことも多いね。でも実は、室内・室外どちらにもいるありふれた生き物なんだ。散歩の時に草むらにいたノミを知らずに着けてきてしまった!なんていうこともあるよ。」

ぐりさん

『余談だけどOffice Guriのある北海道では、最近までノミがいなかったんだ。むしろ北海道はマダニの被害が多くてライム病など、マダニが媒介する感染症がたくさん発生しているよ。いずれにせよ、気をつけたいね。』

アレルギーへの対応方法

アレルギーは原因別に対応する必要があります。いずれにせよ気になる症状がある場合はまず動物病院を受診しましょう。

動物病院の受診

いつ頃から症状が始まったか食事や生活環境で気になっていることなどを事前にメモしてまとめておくと、受診の際スムーズに獣医師へ状況を伝えることができます。

いっぬ君

「診察の時、緊張や不安でうまく困り事を伝えられず、あとからもっと『こういえばよかった!』って後悔することってあるよね。」

ぐりさん

「診察時間は限られているし、ちょっと怖い先生だったりすると尚更だよね。そういう場合はメモを作っておくと役立つよ!まず動物看護師さんに伝えるのもアリだよ。」

いっぬ君

「犬の健康状態が心配で受診しているから、先生の話が全部理解できなかったり、コミュニケーションがうまく取れないこともあるよね。」

ぐりさん

「どうしても病院では専門用語を使って説明されることが多くて、理解が追いつかないこともあるよね。でもあることを説明するのに、どうしても専門用語でないとできないってことも多いんだ。だから少しでも理解を助けるために、飼い主さんも予備知識を持っておくと安心できるよ。」

いっぬ君

「確かに予備知識があると理解の助けになりそうだね。あと自分の犬のことだから、飼い主側も歩み寄って理解しようっていう姿勢が大事なのかな?」

ぐりさん

「人間の場合だと、治療内容への理解と積極的な姿勢が治療効果を上げるっていう研究報告も実はあるんだ。だから飼い主さんにもぜひ、治療に参加するのは自分という意識を持ってもらえると、より良い成果が期待できるね。」

除去食の実施

アレルギーを疑われた場合、まずはじめに除去食を提案されることが多いです。除去食とはアレルゲンを除いた材料で作られた食事のこと。そのためフードの原材料を見て、その中に入っている材料を除いて作られたフードを選択する、または手作りごはんを与えることで、除去食を実施します。

いっぬ君

「アレルギー対策で魚のフードが多いのはこういう理由だったんだ!」

ぐりさん

「そうだね。一般的なフードには鶏肉、牛肉、豚肉などの肉類、穀類は小麦が使用されている製品が多いんだ。だからこれらを除いたフードとなると、がメインのタンパク源、エネルギー源としてはジャガイモが使用されたりするよ。」

ぐりさん

「ただをメインにしたフードは平均して価格が高めなのがネックだね。特にたくさん食べる大型犬の場合、飼い主さんが負担するコストが問題になることも多いんだ。」

いっぬ君

「お腹いっぱい食べられないのは嫌だなあ!」

ぐりさん

「だよね。なのでそういう時には手作りごはんという選択肢もあるんだ。手作りだとコスト的には飼い主さんの負担を軽くできる一方で、犬の食事作りの基礎知識がないと、偏った栄養の食事になってしまうことや、忙しい時の手作りはやっぱり負担になるなど、課題もあるんだ。」

いっぬ君

「そっか。でも選べる手段がいくつかあるのが救いだね。」

ぐりさん

「そのとおり。選べる手段が多いほど、飼い主さんと犬にとって負担が少なく、長く続けていける現実的な方法を選べるんだ。だからフードと手作りごはんを併用してもいいんだよ。」

いっぬ君

「そのときそのときで、良いと思える方法を選べるなら嬉しいね。」

いっぬ君

『でも絶対に、お腹いっぱい食べるは譲らないぞ!』

ちょっと知っておいてほしいこと
除去食用フードを使えばアレルゲンは完璧に避けられるとは限らない

残念ですが実はこれは事実です。辻本綾子氏らの研究によると「近年、療法食中の原材料に表記のないアレルゲンの混入」が指摘されており、実際に「イヌの療法食において表記外のアレルゲンの混入が確認された」と述べられています。犬用フードは人間の食品ほど厳密に管理されているわけではないため、ペットフードの安全管理や表記の問題は今後議論が必要といえます。

こうした事実も踏まえた上で除去食用フードを賢く選び、上手に利用する姿勢が飼い主には求められています。

出典:イヌの食物アレルギー用療法食における原材料表記のないアレルゲン混入の実態, 辻本 綾子辻本 義和, 2021年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/24/2/24_107/_article/-char/ja/

犬の生活環境からホコリなどのアレルギー要因を取り除く

アトピー性皮膚炎を発症している場合、ホコリなどの外部刺激に皮膚が反応しやすくなっています。そのため、刺激となる物質をできるだけ犬の生活環境から取り除くことも大切です。

こまめに掃除をするほか、犬が使用しているベッドや毛布などで洗えるものが洗濯して清潔を心がけることも大切です。まれに洗剤の成分に反応が起こる場合もあるので、洗濯後のベッドや毛布に触れて新たな赤みや腫れが出ないかを観察しましょう。

低刺激のシャンプーで、犬の体表からのアレルゲンを取り除く

花粉ハウスダストなど、アレルゲンとなりそうな物質を低刺激のシャンプーで犬の体から取り除くことも有効です。シャンプーの頻度や使用するシャンプーの種類、保湿などについてはかかりつけの獣医師へ相談の上、決めるのが安全です。

いっぬ君

「食事だけでなく、環境にも目を向けるのが大事なんだね。」

ぐりさん

「そうだね。複数の要因が絡み合ってアレルギー反応として出ている場合もあるから、色々な角度で考えてみることが、解決手段につながることも多いんだ。」

いっぬ君

「アレルギーについて基本的なことを知ると、色々な視点で考えらえるようになるってことだね。」

ぐりさん

「そうそう。基本的な情報を知った上で、かかりつけの先生と一緒に、その子に合った対応方法を話し合えるのがベストだね!」

いっぬ君

「りょうかーい。ぼくもアレルギーについて基本を知った上で、考えてたり調べてみたりするよ。」

ぐりさん

「ぜひそうしてみてね!」

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