植物から抽出した精油を使って、犬の肉球クリームやスプレーを自宅で手作りしてみませんか?このような飼い主さん自身が自宅で作るアイテムを「アロマクラフト」と呼びます。

アロマクラフトは犬のアロマテラピーの基礎を学ぶことで、誰でも手軽に作成することができます。犬に使用できない精油の把握や、安全のための注意点を知ることが重要です。これらの内容は下記のページのまとめてありますので、実践前にぜひ参考にしてください。
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このページでは犬のアロマの基礎知識を理解された方向けに「肉球クリーム」「アロマスプレー」「アロママッサージオイル」などの作り方をご紹介していきます。
また無香料の犬用シャンプーに精油を少量加えると、植物のもつ奥行きのある香りをほのかに楽しめるアロマシャンプーになります。シャンプーが苦手で緊張してしまう犬にはリラックス効果のあるラベンダーを、スキンケア効果を狙いたいならローズやフランキンセンスをという具合に目的に応じて精油を選べば、愛犬にぴったりな香りのアロマシャンプーを楽しめます。
この記事が、精油の香りが多くの犬たちのリラクゼーションやボディケアに役立てれば幸いです。
犬用肉球クリームを作ってみよう
肉球ケア用のクリームは自宅で手作りすることができます。
材料は至ってシンプルで
・ミツロウ
・植物オイル
の2種類です。
これにお好みの精油を加えるだけで、スキンケア効果の高いアロマの肉球クリームを作成できます。
ラベンダーといったポピュラーな精油だけでなく、自宅で作るのであればローズ、ネロリといった贅沢な精油を使用することもできます。特にローズ、ネロリは素晴らしい香りスキンケア効果で化粧品の世界で長く愛されてきた香りです。こうした希少で良い精油を、犬のためのボディケア用品に使用できるのも手作りアロマクラフトの優れた点です。
肉球保護の重要性
犬の肉球は厚い角質層でできています。それにより地面に足をつけた時の衝撃を吸収しやわらげる、しっかりと地面を捉えて歩行を助ける滑り止め機能など様々な役割を担う部位でもあります。
また地面の温度や感触などを脳に伝える感覚器としての役割も大きいです。
そんな大事な肉球が健康でいるために、ひび割れ防止対策は重要です。
硬い地面を歩くことが続く、空気の乾燥などにより肉球のひび割れが起こる場合があります。
ひび割れは痛みや痒みを伴い歩行に支障が出る場合もあります。人間でもかかとのひび割れが思いがけず深いところに達してしまい、歩くたびに痛い思いをしてしまうことがあります。犬がそのような痛い思いをしないためにも、保湿ケアは欠かせません。
特に空気が激しく乾燥する冬や雪道を歩く北国に住む犬たちは、肉球が傷んでいないかのチェックが健康を守る上で欠かせません。
犬の肉球が傷つく原因
犬の肉球が傷つく原因を知っておくことは、予防を考える上で欠かせません。
肉球が傷む原因は様々ですが
- 洗いすぎ
- 摩擦
- 加齢
の3つが代表的です。
洗いすぎ
散歩から帰宅後、犬の足を洗うご家庭は多いと思います。しかしここで脱脂作用の強すぎる石鹸やシャンプーを使うと、肉球を本来保護すべき必要最低限の皮脂まで洗い流してしまいます。
皮脂というバリアを失うと、皮膚はどんどんその中の水分を蒸発させてしまいます。結果として肉球の乾燥が進み、ひび割れがおこります。
犬の足を清潔に保つこと自体は悪いことではありません。人と生活空間を共有している以上必要なことだとも言えます。
それであれば洗ったあとに保湿をしっかり行いましょう。私たちが洗顔後にローションや乳液を使用するように、犬の足を洗ったあとに適度な油分を補うことで、皮膚を守ることができます。
摩擦
アスファルトを歩くのと土や草の上を歩くのでは、アスファルトの方が肉球が擦れやすくなります。
夏はそこに「熱」が加わるため、アスファルトを散歩する犬の肉球は私たちが思う以上にダメージを受けています。
そのため、やはり散歩後の保湿がダメージケアになります。可能な範囲でアスファルトを避け、草地や土の上を歩かせる工夫も有効です。

加齢
歳を取ると肌に含まれる水分量が減り、カサつくのは犬も人間も同じです。その中でも地面に直接触れて日々使われる肉球は乾燥の影響を受けやすいパーツです。
そのため飼い主が肉球の乾燥具合をチェックし、必要に応じて保湿ケアを行う必要があります。
肉球クリームの材料1:ミツロウ

ミツロウはミツバチが巣を作る際に分泌する動物性のワックスです。ここから不純物を取り除いたものがアロマクラフトの材料として使用されます。
色と香りを取り除いた精製タイプと、花粉などを含んだ未精製タイプがあります。精製タイプは繊細な精油の香りを活かしたい場合に、未精製タイプはそこに含まれる花粉などから得られるスキンケア効果を取り入れたい場合の使用にむきます。
ミツロウは常温で個体であることから、常温で液体である植物オイルと溶かし合わせて固めるとバーム状の個体になります。体温で溶けて程よく伸びるため、古来より軟膏作りに活用されました。ミツロウと植物オイルで作ったクリームは肌に乗せると薄く伸びて皮膚表面に膜を作ります。この膜が皮膚表面からの水分蒸発を防ぎます。
肉球クリームの材料2:ホホバオイル

アロマクラフトに用いられる植物オイルには多くの種類がありますが、犬の肉球クリームにはホホバオイルがおすすめです。
その理由はホホバオイルの成分は非常に安定しており、酸化しにくいためです。また肌質を選ばず浸透性が良く、肌を柔らかくする効果があります。
ホホバオイルは砂漠地帯に自生するホホバの種子から取れます。一般的にホホバオイルと言われていますが、成分的にはワックスです。
もともとは日差しが強く、乾燥する地域の人たちが肌を守るために用いていたオイルです。紫外線から肌を守る作用もあります。
ホホバオイルにも色と香りを取り除いた精製タイプと、色が残る未精製タイプとがあります。
犬用肉球クリームの作り方
【材料】
- ミツロウ:5g
- ホホバオイル:25g
- 精油:2滴
- クリーム容器:30ml以上サイズのもの
ミツロウやホホバオイルはアロマ専門店などで購入できます。
【道具】
- 耐熱性ビーカー:50mlサイズ程度のもの
- 竹串またはガラス棒
【作り方】
- デジタルスケールにビーカーを乗せ、ミツロウとホホバオイルをそれぞれ計りながら入れる。
- ビーカーを電子レンジに入れて加熱する。ミツロウが溶けたところで取り出す。
- ビーカーを取り出し、竹串またはガラス棒でよく混ぜる。精油を加えてさらによく混ぜる。
- クリーム容器にビーカーの中身を移し、冷やして固める。
クリーム作成時の加熱は湯煎やIHヒーターを使う方法もありますが、電子レンジが最も手軽です。加熱によるオイルの劣化が気になる方もいるかもしれませんが、長時間グラグラ煮立てるのでなければ品質への影響はありません。
扱いやすい道具で手軽に作ることができるというのは、アロマクラフトを実践する上で大切なポイントです。
作成したクリームは冷暗所に保管し、1ヶ月をめどに使い切りましょう。
肉球クリームにおすすめの精油を以下にご紹介します。
乾燥肌の保護に | フランキンセンス

フランキンセンス
【おすすめ用途】鎮静・加温・ストレスケア・スキンケア
フランキンセンスの木から得られる樹脂から抽出される精油です。お香のようなスモーキーさにほんのり柑橘系の酸味が加わった特徴的な香りです。
新訳聖書にはイエス・キリスト誕生の際、東方の三博士によって捧げられた3つの贈り物、黄金・没薬・乳香(フランキンセンス)として登場します。古代から瞑想や宗教儀式の場で、貴重な香料として用いられてきました。
肌に活力を与え、老化に伴うしみやしわを改善する「若返りの精油」として、化粧品の材料にも使用されています。
「ローズ」との相性が良い「フランキンセンス」
スモーキーな甘さの中に、わずかに酸味を感じさせる奥深い香りのフランキンセンスは、華やかな香りのローズとの相性が良いことで知られます。
個性的な香りを持つフランキンセンスが、ローズの香りと合わせることで心地よく使えるようにとの先人の知恵であり、2つの精油の組み合わせはブレンドの古典としても有名です。
傷みがちな老犬の肉球ケアクリームに最適なブレンドとしてもおすすめです。
- 学名:Boswellia carterii
- 抽出部位:樹脂
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 成分:α-ピネン、β-ピネン、d-リモネン
犬のためのアロマスプレーを作ってみよう | ブラッシングスプレーから虫よけまで
アロマスプレーはアロマテラピー初心者の方でも手軽に作成できるアロマクラフトです。乾燥しがちな犬の被毛を整える保湿効果の高いブラッシングスプレーから、アロマの虫よけスプレーまで、目的に応じて様々なアレンジが可能です。
基本のアロマスプレーのレシピは以下の通りです。
基本のアロマスプレーに使用する精油量
犬への精油の使用量は人間の1/4〜1/2程度です。
人間用のアロマを使った手作り化粧品で「直接肌に触れるもの」の場合、精油濃度は0.5%〜1%の範囲内が推奨されます。AEAJによれば、植物オイルで精油を希釈しトリートメント(精油を薄く皮膚に伸ばし、マッサージなどを行うこと)に使用する場合は、顔用0.5%以下、ボディ用1%以下を推奨しています。
引用元:AEAJ アロマテラピーの楽しみ方
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/howto/
これを基準に考えると、犬の体に吹きかけるボディスプレーや肉球ケアのクリームなどは精油濃度0.25%以下が望ましい基準となります。
精油瓶に付属しているドロッパーは、多くの場合1滴=0.05ml(*)に設定されています。
*ただしメーカーによって違いがあるため、要確認。
【精油濃度0.25%の犬用アロマスプレーをどう作る?】
ドロッパー1滴を0.05mlと考えた場合、100mlの水に対し精油を5滴加えると、ちょうど濃度0.25%になります。
精油:0.05×5=0.25ml
水:100ml
濃度:0.25÷100=0.0025 → パーセントに直すと0.25%
*厳密には溶液全体は100+0.25なので、0.25÷(100+0.25)ですが、計算が複雑になるのと計算結果も誤差の範囲内でカバーできる数値につき、わかりやすい方法での計算をご紹介しています。
犬は優れた嗅覚を持つ動物です。そのため少量の精油でも十分にリラクゼーションなどの効果を得られます。なので上記の使用量を目安に考えてみてください。
基本のアロマスプレーの作り方
犬用アロマスプレーの作り方
材料:
- 水:100cc(精製水、なければ水道水でも可)
- お好みの精油:5滴
- 遮光タイプのスプレー容器(アロマ専門店などで購入可能)
作り方:
- スプレー容器に精油を入れる
- 容器に水を入れる
- よく振って精油と水を混ぜる
使用方法と注意点
犬の目、肛門周りを避け、犬の全身にスプレーします。
保存期間:
スプレーは作成後、2週間以内を目安に使い切るようにします。2週間以内でも匂いが変わったなど変質が認められる場合は使用を中止します。
【グリセリンをプラスして保湿効果をUP!】
基本のアロマスプレーにも保湿効果をプラスしたい場合はグリセリンを加えてみましょう。
グリセリンは医療現場でも使用される保湿剤で無色透明の液体です。ドラッグストアなどで購入できます。
グリセリンを加える場合は100mlに対し1〜2滴が目安です。グリセリンは保湿効果が高いため、入れすぎるとベタベタした仕上がりになります。入れ過ぎに注意しましょう。
また加える精油によって様々な目的のアロマスプレーを作成することができます。以下にアレンジ例をご紹介します。
リラクゼーションと犬の体の清潔を保つアロマスプレー
精油の中にはリラクゼーション効果と殺菌・抗菌作用などを併せ持つものがあります。そうした精油を使用することで、犬は心地よい香りに包まれれリラックスでき、かつ体の清潔を保つのに役立ちます。
以下にこうした用途で使用するのにおすすめの精油の代表はラベンダー。ラベンダー単体でも香りを楽しめますが、オレンジ・スイートやゼラニウム、レモンFCFとの相性も良いので数種類をブレンドするのもおすすめです。
犬におすすめの精油はこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

抗菌・リラクゼーションに | ラベンダー

ラベンダー
【おすすめ用途】ストレスケア、抗菌、抗ウイルス
甘さと爽やかさを併せ持つ香りでアロマテラピー初心者におすすめです。
ラベンダーには様々な種類があります。犬に使用できるのは真正ラベンダー、トゥルーラベンダーと呼ばれる種です。
必ず「Lavandula angustifolia」または「Lavandula officinalis」と表示されているものを購入しましょう。精油には「学名」の記載があるのが一般的です。
【ラベンダーにも種類がある:犬には必ず「真正ラベンダー」を】
ラベンダー精油には4種類あります。犬に穏やかに作用する「真正ラベンダー」と犬への使用を避けるべき「スパイクラベンダー」「ラバンジン」「ラベンダーストエカス」です。。
「スパイクラベンダー」「ラバンジン」「ラベンダーストエカス」の3種に共通して言えるのは「カンファー」という成分を多く含む点。
「カンファー」はいわゆる「カンフル剤」の成分ですっきりとシャープな香りが特徴です。ケトン類に分類され、神経毒性が指摘されます。
神経毒性、と書くと何やら恐ろしいものに見えますがこれは使用量と濃度に依存します。カンファーは適量であれば、筋肉や神経への適度な刺激となり痛み和らげる、集中力を高めるなどの作用が期待されます。
他方刺激が強い物質であることもまた事実です。そのため犬への使用に向かない成分でもあります。
優れた鎮静作用を持つ成分を多く含むため、犬のストレスケアやリラクゼーションに最適です。ラベンダーに含まれる成分「酢酸リナリル」は鎮静作用を持つことで知られます。
また抗菌、抗ウイルス作用を生かして犬用ボディスプレーや肉球クリームへの使用もおすすめです。
- 学名:Lavandula angustifolia / Lavandula officinalis
- 抽出部位:葉と花
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 成分:酢酸リナリル、リナロール
アロマの虫よけスプレー
精油の中には虫が嫌う香りがあります。マダニが嫌う香り、蚊が嫌う香りをそれぞれご紹介します。
精油を使った虫よけスプレーは、市販のスプレーと比較すると効果の持続時間は短めです。そのため外出する際は2時間おきにスプレーすることをおすすめします。
犬の虫よけアロマについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。

蚊が嫌う香りその1:ユーカリ・シトリオドラ

ユーカリ・シトリオドラ
【おすすめ用途】虫よけ
ユーカリの一種。レモンに似た柑橘系の香りが特徴です。シトロネラール、シトロネロールという成分がレモン様の香りを生み出しています。この成分を蚊が嫌うことから虫よけに使用されます。
【DEETに代わる蚊忌避剤として】
DEETは市販の虫よけにもよく使用されるポピュラーな昆虫忌避剤です。
アメリカのCDC(The Centers for Disease Control)が低濃度のDEETに代わる安全で効果的な蚊忌避剤としてレモンユーカリ精油を推奨しています。
- 学名:Eucalyptus citriodora
- 抽出部位:葉
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 成分:シトロネラール、シトロネロール
蚊が嫌う香りその2:シトロネラ
シトロネラ
【おすすめ用途】虫よけ・消臭
スリランカなどの熱帯雨林気候に生息する、イネ科の植物であるシトロネラの葉から抽出される精油です。甘く暖かい柑橘系の香りがしますが、少量でもかなり強い匂いがあります。
蚊を寄せ付けない効果は古来より知られており、蚊帳に編み込んで虫よけに利用されてきた歴史があります。
蚊の忌避効果があるため虫よけとして使用される他、消臭スプレーにも利用されるます。
シトロネラは適切な量を用いる分には特に禁忌はありませんが、少量でも香りが強いこと、皮膚に直接つくと刺激が強いため、必ず適切に希釈して利用することが大切です。
- 学名:Cymbopogon nardus
- 抽出部位:葉
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 成分:ゲラニオール、リモネン、シロトネラール、シトロネロール
蚊が嫌う香りその3:ペパーミント

ペパーミント (ただし、てんかんの犬は禁忌)
【おすすめ用途】鎮静・ストレスケア
ペパーミントはすっと爽やかな香りが特徴です。歯磨き粉やガムの爽やかな香りでお馴染みです。穏やかな昆虫忌避効果があることも知られています。
ただしペパーミントは過去にてんかん発作を起こした犬には禁忌です。同様に人の場合もてんかんを持病にお持ちの方は避けていただくほうがよいでしょう。
てんかんに禁忌とされる精油は「ケトン類」と呼ばれる成分を多く含みます。ケトン類は神経毒性を持つ成分ですが、多かれ少なかれ実は広範囲の精油に含まれている成分でもあります。
ケトン類の種類も様々で粘液溶解(去痰)作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、鎮静作用、鎮痛作用を持つものは、低濃度、安全な利用方法を選択することでその恩恵を受けられる場合もあります。
またアロマ精油が直接の原因となっててんかん発作が起こった、という事例の学術的な報告は見当たりません。しかしながら、ケトン類の性質を考え、てんかん発作を起こす原因になる可能性がゼロではないため、過去に発作を起こしたことのある犬は念のため使用しないことをお勧めします。
- 学名:Mentha piperita
- 抽出部位:全草
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 成分:メントール、メントン、1,8-シネオール
マダニが嫌う香り:ゼラニウム

ゼラニウム
【おすすめ用途】ストレスケア、ダニよけ
ゼラニウムには多くの品種がありますが、精油として用いられるのは「ローズ・ゼラニウム」と呼ばれる香りが特に良いものです。
犬の場合、ダニよけの精油としてもよく知られています。
ローズを思わせる甘くフレッシュな香りが特徴です。フランス領レユニオン島のゼラニウムは「ゲラニオール」の含有量が高く品質が良いことで知られます。ゲラニオールはローズに多く含まれる成分で、その芳香を特徴付ける成分でもあります。
フケ、皮膚のかゆみなどのトラブルにも用いられます。老犬のスキンケアにも最適です。
- 学名:Pelargonium roreum
- 抽出部位:葉と花
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 成分:シトロネロール、ゲラニオール、リナロール
無香料犬用シャンプーに精油をプラス | 手軽にアロマシャンプーを楽しもう
市販の犬用無香料シャンプーにお好きな精油をプラスするだけで、簡単にアロマシャンプーが楽しめます。
スキンケア効果のある精油やリラクゼーション効果のある精油など、目的に応じてアレンジできるところが最大のメリットです。
無香料シャンプーに精油をプラスするメリット
犬用シャンプーにも無香料製品はたくさんあります。
無香料シャンプーが好まれる理由の1つとして、犬用シャンプーの中には犬の体臭をマスキングするために強めの香りに調整されている製品があることが挙げられます。
マスキングとは、不快な臭いをそれを上回る強い香りで覆い隠すことです。
そのためシャンプーに強めの香り付けがされるのですが、それがあまり好きではないと感じる犬や飼い主さんもいらっしゃいます。
こうした背景から無香料のシャンプーの需要も伸びてきており、現在犬用無香料シャンプーはホームセンターなどで手軽に購入できるようになりました。
もちろん香りの強いシャンプーを好む方もいらっしゃるため、選択肢が増え各自好みに合った製品が選べるようになったのは良いことです。

さてそんな無香料と強めの香りのシャンプーの中間をいくのが、今回ご紹介する自宅で調整するアロマシャンプーです。
普段は無香料シャンプーを使用しているが、たまには優しい香りも楽しみたいという場合。もしくは普段から精油入りの製品を使用しているが、香りの種類が限られているのでもっと別の香りも楽しみたいという場合は、無香料シャンプーに精油を適量プラスしてアロマシャンプーとして楽しむのがおすすめです。
犬用アロマシャンプーの作り方
犬への精油の使用量は人間の1/4〜1/2程度です。
人間用のアロマを使った手作り化粧品で「直接肌に触れるもの」の場合、精油濃度は0.5%〜1%の範囲内が推奨されます。AEAJによれば、植物オイルで精油を希釈しトリートメント(精油を薄く皮膚に伸ばし、マッサージなどを行うこと)に使用する場合は、顔用0.5%以下、ボディ用1%以下を推奨しています。
引用元:AEAJ アロマテラピーの楽しみ方
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/howto/
これを基準に考えると、犬の体に吹きかけるボディスプレーや肉球ケアのクリームなどは精油濃度0.25%以下が望ましい基準となります。
さらにシャンプーという犬の皮膚が濡れた状態で、皮膚表面へ成分が浸透がしやすくなる環境を考えると、もう一段濃度を下げほのかに香りを楽しめる程度に調節するのが安全です。
精油瓶に付属しているドロッパーは、多くの場合1滴=0.05ml(*)に設定されています。
*ただしメーカーによって違いがあるため、要確認。
【精油濃度0.1%の犬用アロマシャンプーをどう作る?】
ドロッパー1滴を0.05mlと考えた場合、50mlのシャンプーに対し精油を1滴加えると、濃度0.1%になります。濡れた皮膚への使用と考えると、基準値である0.25%よりさらに低い濃度が安全です。
精油:0.05×1=0.05ml
シャンプー:50ml
濃度:0.05÷50=0.001 → パーセントに直すと0.1%
*厳密には溶液全体は50+0.05なので、0.05÷(50+0.05)ですが、計算が複雑になるのと計算結果も誤差の範囲内でカバーできる数値につき、わかりやすい方法での計算をご紹介しています。
犬用無香料シャンプーへの精油の加え方と使用上の注意
【作り方】
無香料シャンプー50mlを別容器にとりわけ、精油1滴を加えます。その後、精油がシャンプー全体に行き渡るよう、十分に混ぜてください。混ぜることで精油が希釈され、犬の肌に直接原液がつくことのないようにします。
【毎回使い切る量だけとりわけて、都度精油を加えるのがおすすめ】
精油を加えたシャンプーは通常よりも早く劣化する場合があります。そのため使い切る量だけを別ボトルにとりわけ、精油を加えるのがおすすめです。
精油は空気に触れると酸化などの変質が起こりやすいものです。そのためフレッシュなうちに使い切るのがおすすめです。犬の体の大きさや毛の量に合わせて、使い切れる量だけ取り分けて精油をプラスしましょう。
【異常を感じたら使用を中止し、獣医師へ相談しよう】
精油は決められた濃度と使用方法を守れば、通常トラブルは起こりません。しかしながら犬の体質によっては安全だとされている精油にも反応する場合があります。そのためシャンプーを使用して異常を感じた場合はすぐに使用を中止し、獣医師へ相談してください。
犬用アロマシャンプーにおすすめの精油3種
以下に目的別におすすめの精油3種をご紹介します。
スキンケアとリラクゼーションに | ラベンダー

ラベンダー
【おすすめ用途】ストレスケア、抗菌、抗ウイルス
甘さと爽やかさを併せ持つ香りでアロマテラピー初心者におすすめです。
ラベンダーには様々な種類があります。犬に使用できるのは真正ラベンダー、トゥルーラベンダーと呼ばれる種です。
必ず「Lavandula angustifolia」または「Lavandula officinalis」と表示されているものを購入しましょう。精油には「学名」の記載があるのが一般的です。
【ラベンダーにも種類がある:犬には必ず「真正ラベンダー」を】
ラベンダー精油には4種類あります。犬に穏やかに作用する「真正ラベンダー」と犬への使用を避けるべき「スパイクラベンダー」「ラバンジン」「ラベンダーストエカス」です。。
「スパイクラベンダー」「ラバンジン」「ラベンダーストエカス」の3種に共通して言えるのは「カンファー」という成分を多く含む点。
「カンファー」はいわゆる「カンフル剤」の成分ですっきりとシャープな香りが特徴です。ケトン類に分類され、神経毒性が指摘されます。
神経毒性、と書くと何やら恐ろしいものに見えますがこれは使用量と濃度に依存します。カンファーは適量であれば、筋肉や神経への適度な刺激となり痛み和らげる、集中力を高めるなどの作用が期待されます。
他方刺激が強い物質であることもまた事実です。そのため犬への使用に向かない成分でもあります。
優れた鎮静作用を持つ成分を多く含むため、犬のストレスケアやリラクゼーションに最適です。ラベンダーに含まれる成分「酢酸リナリル」は鎮静作用を持つことで知られます。
また抗菌、抗ウイルス作用を生かして犬用ボディスプレーや肉球クリームへの使用もおすすめです。
- 学名:Lavandula angustifolia / Lavandula officinalis
- 抽出部位:葉と花
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 成分:酢酸リナリル、リナロール
爽やかな香りで明るい気持ちに、消臭にも | オレンジ・スイート

オレンジ・スイート
【おすすめ用途】抗菌・鎮静・血行促進・食欲増進
柑橘系のオレンジの果皮から抽出される精油です。甘く爽やかな香りが特徴です。
血行促進作用を利用し、犬のマッサージオイルのブレンドとして使用するのがおすすめです。
柑橘系の精油には精神を穏やかに向上させる働きがあります。犬がストレスなどで気分が落ち込んでいるときの芳香浴におすすめです。
柑橘系の果皮から得られる精油には光毒性(*)を持つものがありますが、オレンジは例外で光毒性の心配はありません。
*光毒性:柑橘の皮から得られる精油に含まれる成分「フロクマリン類」が紫外線に反応し、皮膚を刺激することによって腫れや赤みなどが現れること。詳細は「光毒性」の項目を参照してください。
柑橘系の精油は酸化しやすいため、開封後は使用期限にかかわらずできるだけ早く使い切りましょう。香りが変わるなど変質を感じた場合は使用を中止し廃棄してください。
- 学名:Citrus sinensis
- 抽出部位:果皮
- 抽出法:圧搾法
- 成分:リモネン
殺菌、消臭に | ティーツリー

ティーツリー
【おすすめ用途】抗菌・殺菌
オーストラリア原産の植物で傷薬として長く利用されてきました。爽やかなハーブ調の香りが特徴です。殺菌作用、抗真菌作用に優れます。
犬の生活空間にディフューザーで香りを拡散する芳香浴、ボディミストとして犬の体を清潔に保つなど幅広い用途で利用できる精油です。
名前からよく「お茶の木」と誤解されますが、お茶の原料となるツバキ科の植物チャノキとは全くの別物です。ティーツリーはコアラが食べるユーカリの仲間「フトモモ科」に属します。
刺激が強い精油であるため、使用する際は通常の半分程度から始めましょう。
- 学名:Eucalyptus radiata
- 抽出部位:葉
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 成分:テルピネン-4-オール、y-テルピネン、α-テルピネン


