Office Guriの諸橋直子です。さて多くの犬たちが毎日口にする「ペットフード」。このペットフードのラベル表記を「人間並み」にしようという動きがアメリカではじまっています。
これはどんな動きか?を一言で表すと
「ペットフードのラベル表示に、人間の食品並のわかりやすさと透明性を」
になります。
では具体的にはどのような変化なのでしょうか?またこの動きは日本のペットフードにどう影響するのでしょうか?
これについて、今回の記事で解説していこうと思います。
いっぬ君ペットフードのラベルって、なんだかカタカナが並んでいてよくわからないという声が多いよね。それが改善するってことかな?



確かに栄養成分名は聞きなれないものが多くて、もっとわかりやすくという声も多いんだ。この辺りも今後どうなりそうか?を解説するよ!


この記事の作成者:Office Guri 諸橋直子
日本ペットマッサージ協会認定 ペット東洋医学アドバイザー、JADP認定中国漢方ライフアドバイザー、SAE認定犬の管理栄養士アドバンス、JADP認定上級ペット看護士。
手作りごはん歴19年。犬の手作りごはん、アロマテラピー、薬膳など家庭でできる愛犬のケア普及のため活動しています。各種オンライン講座開講中。特に人気の犬の薬膳講座は受講者数250名を超える。犬の手作りごはんの専門Youtubeチャンネル(登録者数4,120名)運営中。
ペットフード・ラベル表記の「最適化」=pet food label modernization (PFLM)がアメリカでスタート


ことの起こりは2015年。今から11年前のできごとなので、実は結構昔です。
アメリカの米国飼料検査官協会 (AAFCO) は、ペットフードのラベル表記をより消費者の望むものに変えたいというアイデアを持っていました。
それはアイデアとは何か?というと
「ぱっと見て、どんな栄養素がそのペットフードにどれだけ含まれているかが直感的に理解できる」
ということです。



直感的ってどういうことかな?



ぱっとみて感覚的に理解しやすいってことだよ。例を挙げて説明するね。
【コンビニのおにぎりで考えてみよう】
人間の食品について考えてみましょう。例えばコンビニでおにぎりを買うと、ラベルには以下のようにおにぎりのカロリーをはじめとする栄養成分が書かれています。
熱量:170kcal、たんぱく質:3.0g、脂質:0.9g、炭水化物:37.8g(糖質:35.8g、食物繊維:2.0g)、食塩相当量:1.6g
カロリーは1個あたりのものですし、タンパク質や脂質などもこのおにぎり1個に含まれているものです。
なのでこのおにぎりを食べるとタンパク質は2.9g摂取できて、脂質は0.8gだなと、何も考えずに見たままの数値で理解ができるのです。
「ふーん、でもそんなの当たり前じゃない」
はい、そこなんですよね。その当たり前が「ペットフード」だとできないので、問題なのです。
厳密にいうとできなくはないのですが、間に計算を挟まないといけないません。さらにその計算で得られた数値も、実態は「保証値」という少しスッキリしないものなのです。
ペットは家族として大事にされています。そのため飼い主さんの犬の食事に対する健康志向や厳しい眼差しは、強まる傾向にあります。
大事な家族の食事ですから、そこは当然ですよね。



確かにコンビニのおにぎりは、1個あたりのカロリーや栄養や成分が書かれていてわかりやすいね。それに比べてドッグフードは100gあたりだった、1kgあたりだったりするよね。



まさに飼い主さんたちが不便だと思ってる点はそれなんだ。
犬によってフードを食べる量は違うから、そういう表示になるのは仕方がない。
でも「うちの子の食べる量に含まれるエネルギーは?栄養素は?」をもっとわかりやすく表示して!というのは、飼い主さんの自然な願いだよね。
ペットフードの成分表示をもっとわかりやすく!という要求に対し、ペットフードの供給側はきちんと応える必要があるのでは?という視点で考えられ始めたのが
■pet food label modernization (PFLM)=ペットフードラベルの近代化
です。
modernization=近代化と訳されることが多いですが、ここでは「消費者のニーズに合わせて表記をわかりやすく、透明化する」というニュアンスを考えて「最適化」の言葉を当てることにします。
ここまでの流れをまとめると「ペットフードラベルの最適化」を目指そうという動きが、11年前のアメリカで生まれたという話です。
11年前といえば、ペットフードに対する様々な情報が乱立していた時期です。
ペットフードに使用される材料に、実は粗悪な部位が使用されているのでは?など様々な噂が広がり、ペットフードへの恐怖感や不信感が煽られていた時代でもありました。
そうした犬の食を取り巻く環境を背景に、手作りごはんが注目され始めた時期とも重なります。
そのため当時「無添加」という言葉が大きくもてはやされました。「無添加」という表記があれば安全というような価値観が形成されたのもこの時期と重なります。



あ!それ聞いたことある!フードのタンパク質の量を多く見せかけるためにメラミンが混入されて、たくさんの犬猫が亡くなったっていう事件だよね。



2007年に起こった「メラミン添加によるペットフード原材料の擬装」だね。飼い主さんたちの間では「メラミン混入事件」として有名だね。



そのフードを食べた犬や猫が数百匹亡くなったと聞いたよ。ひどいなあ!



本当に悲しい事件だね。こうした不正を厳しく監視するシステムは必要だし重要だね。でも全てのペットフードを悪いものと決めつけるのは極端な意見だと僕は思うよ。
実際に全ての飼い主さんが犬に手作りごはんを食べさせるわけにはいかないから、便利なペットフードは飼い主さんが犬と暮らしていく上で欠かせない、犬との生活を支える必須アイテムでもあるんだ。



たしかに!僕は手作りごはんも食べるけど、フードも食べるよ。飼い主さんが忙しい時はフードの食事が多いけど、僕はなんでも美味しく食べて元気だよ!



犬と飼い主さんの数だけ、それぞれに合ったライフスタイルがあるから、ペットフードも上手に活用して、美味しく食べて元気でいられることが大事だね。
ペットフードのメラミン混入事件や無添加ブームなど、犬の食事にまつわる「混乱期」の中にあって2015年に
「ペットフードラベル表記のわかりやすさと透明性」
に注目し、
「ペットフードラベルの最適化」
というアイデアを生み出したAAFCOの慧眼は感服に値するといえるのではないでしょうか。
ちなみにアメリカのペットフード市場規模は「約9兆円」。これに対して日本は「約6,500億円」とも言われます。(2025〜2026年の傾向です)
市場規模が大きいため、アメリカはペットフードの問題について敏感ですし、できる限り素早く対応しようという姿勢がみられます。
そのため、アメリカでのペットフードに対する動向や、今回のような「ペットフードラベルの最適化」について日本の消費者である私たちが知っておくことは重要です。
人間の食品と同じ感覚で、ペットフードの栄養情報がチェックできるようになる未来も近い?


AAFCOではユーザーによりわかりやすく、栄養成分の情報の透明度を高めたラベル表示への移行を2024年からスタートさせるよう、ペットフード生産者へ促しています。
移行期間は6年設けられています。
この期間内に色々準備して、2030年までにはペットフードのラベル最適化(PFIM)の規格に合わせたラベル表記に変えてねというわけです。
移行に6年も!?と思われるかもしれませんが、いきなり全てを変えようとすると、既存の在庫のラベルを新たに作成して貼り直したり、WEB上の栄養表記を短時間で全て更新しなければならないなど作業もコストも莫大になります。
さきほどご紹介したとおり、アメリカのペットフード市場規模は「約9兆円」。桁違いに大規模です。
そのため変化に対応し、ラベルを変える、WEBでの栄養成分表示を変えるといった作業は短期間ではできません。なので6年という猶予が設定されています。
日本でも有名なアメリカから輸入されているペットフードは多くの種類がありますので、アメリカでこうした変化が起こると当然、タイムラグは生じますが日本でもペットフードの表記が変わると予想されます。
なので飼い主さんが今のうちにこの情報を掴んでおいて損はないですし、消費者の安全や健康志向に敏感なメーカーほど、ラベルの切り替えにいちはやく対応する可能性もあります。
そうしたメーカーの姿勢をモニタリングすることも、私たち消費者が良いペットフードを選ぶ際の参考になります。
なのでまずは「こういう動きがある」ということを、頭の片隅に置いていただければと思います。



日本のペットフード「総合栄養食」の基準値もアメリカを参考にしているし、日本はアメリカの追従する形で変化していくのかな?



いっぬ君、鋭いね。そう、日本はペットフードに関する基準はアメリカを参考にすることがとても多いんだ。なのでアメリカでのラベル表示の変化は、タイムラグはあるものの日本にもたらされる可能性が大きいんだよ。
具体的には何が変わるの?4つの大きな変化。
具体的には何が変わるの?4つの大きな変化があります。
1:Nutrition Facts Box(栄養成分表示ボックス)
1つ目は栄養成分表示を「ボックス=表」で、一目瞭然にわかりやすくしましょうという変更です。
人間の食品でも多くの場合、四角く囲った枠の中に表形式でカロリーや栄養素が表示されていますよね。


あの四角く囲ったボックス表示をペットフードでもやりましょう、義務化しましょうというのが大きな変更点です。
なぜボックス表示にするか?というとシンプルに視認性が上がるからです。
他の説明の中にモザイクタイルの埋め込みのように栄養情報が記載されていると、パッとみてどこに栄養情報があるかわかりません。
でも四角く囲った枠の中に栄養に関する情報がまとまっていれば、ユーザーはすぐに認識できますよね。
ペットフードのように多くの人が利用する製品では、この「パッとみて直感的に理解しやすい」ということがとても大切です。
なのでここをまず変えましょうというのが、今回の変更の1つ目です。



人間の食べ物の成分表示は四角で囲まれていてすぐにわかるって、うちの飼い主が言ってたよ!でもペットフードの成分表示はは説明文の中に埋もれてて見づらいのもあるんだって。



人間の食品だと、ちゃんと消費者にわかりやすく表示しよう!と法律でルールも決められているんだ。ペットフードも同じようにわかりやすくしよう!という流れになっているんだね。
保証値→実際の数値へ
さらに表示の中身も大きく変わります。
最も大きな中身の変化は、栄養表示がこれまでの
・脂質:◯%以上
・タンパク質:◯%以上
といった「保証値表示」から
・脂質:◯g
・タンパク質:◯g
という、実際にそのフードに含まれている数値になる点です。
「保証値」というのは、例えば「このフードには脂質10%以上が含まれていることを保証します」という意味で「脂質:10%以上」と表記するやり方です。
そのため実際には11%かもしれないし、13%かもしれない。でも10%以上は保証しますよという数値です。
ここがはっきりしないので何となくモヤっとするし、わかりにくさも感じるというユーザーの声が反映された結果、「保証値」をやめて「実際に含まれている数値」を明記しようとルールが変更になりました。



保証値ってちょっとモヤっとするね!



そう、ここは飼い主さんが一番「はっきりしない…」とモヤるポイントかもしれないね。10%以上って11%なの?12%なの?とはっきりしない。健康のために特定の栄養素を摂りたい、逆に減らしたい場合は特にこうした数値をきちんと知る必要があるからね。



10%なら10%、11%なら11%って書いてもらえるとわかりやすいね〜。特にダイエットしてる犬なら脂質の量は気になるんじゃないかな。



そのとおりだね。今は健康志向の飼い主さんが多いから、こういうところをちゃんと知りたいという要望が増えてきているんだ。
栄養素の量が「1個あたり」とわかりやすい値へ
栄養素の量を表記する際も「1カップあたり」や「1缶あたり」「1個あたり」など、ユーザーが実際に使用する際にわかりやすい単位をもとに表記するルールに変更となりました。
100gあたりの栄養やカロリーが表示されていても、正直ピンとこないという飼い主さんは多いと思います。
これは人間の食品でもよくあることで、例えばお菓子を買う際にこの100gあたり表記でイラッとさせられるという人は結構いるのではないでしょうか。
太りたくないので、お菓子1個当たりのカロリーを把握したいのに栄養表示は100gあたりだったときの
「1個当たりのカロリーを書いてくれよ!」
というもどかしさは、多くの方が経験されていると思います。
ペットフードも同様です。知りたいのはおやつ1個当たりとか、うちの子が1回で食べる1カップあたりのカロリーなんだよという苛立ちが新ラベルのルールでは解消されるということです。
三大栄養素由来のカロリーの内訳を表記するルールが加わります
ペットフードにはカロリーが表示されます。犬や人間がエネルギーとして利用できる、つまりカロリーがある栄養素は以下の3つです。
・糖質
・脂質
・タンパク質
この3つはエネルギーになる大事なものなので、特に「三大栄養素」と呼ばれます。
そしてフードのエネルギーが三大栄養素のどれにどのくらい由来するか?を詳しく表示しましょうというのが、このルールです。
ではこのようなルールがなぜ追加されたのでしょうか?
これはペットの世界でも「PFCバランス」が重視されるようになってきたことの表れと捉えることができます。
PFCバランスとは?
PFCバランスとは、たんぱく質・脂質・糖質の摂取比率のこと。
・P=Protein(たんぱく質)
・F=Fat(脂質)
・C=Carbohydrate(糖質)
この3つの頭文字をとってPFCと呼ばれます。この3つのバランスを取ることが健康や適正体重維持に重要であると注目が集まっています。
人間の理想的なPFCバランスは、
・P=Protein(たんぱく質):13〜20%
・F=Fat(脂質):20〜30%
・C=Carbohydrate(糖質):50〜65%
とされています。数字に幅があるのは、年齢や性別、活動量などによって数値が変わるからです。
ちなみにドッグフードに含まれる三大栄養素の平均的バランスは、以下の通りです。
・P=Protein(たんぱく質):25%
・F=Fat(脂質):15%
・C=Carbohydrate(糖質):60%
ペットフードに三大栄養素由来のカロリー内訳を表記することで、飼い主さんは一目でそのPFCバランスがわかるようになります。
こうすることで、極端にバランスの悪いフードは淘汰される方向へ進むことが予想されます。
これはペットフードをカロリーだけでなく、PFCバランスまでしっかり目を向けて、愛犬の健康管理に生かしたいという犬の飼い主の意識の高まりの反映でもあります。
PFCバランスを明記することで、栄養について透明性の高い情報を飼い主が得られるようになるということなのです。
食物繊維と糖質をわけて表記するルールが追加
もうひとつ重要なのは
「食物繊維と糖質をわけて表記するルールが追加されること」
です。
読者の皆さんは、「炭水化物」という言葉をよく耳にすると思います。
実は「炭水化物」の内訳は「糖質」と「食物繊維」です。
「炭水化物」=「糖質」+「食物繊維」
何が言いたいかというと、糖質はエネルギーになります。食物繊維は基本的に、私たち人間や犬はエネルギーとして利用できません。
このようにエネルギーの視点で見ると異なる2つの栄養素を、きっちりわけて表記しましょうというのが新ルールです。
ではなぜそんなことが必要なのでしょうか?
理由はこの「糖質」と「食物繊維」の比率が、愛犬の健康管理に多大な影響を与えるからです。
たとえば炭水化物の内訳が「糖質」50%、「食物繊維」10%のフードであればエネルギーが多めです。成長期だったり、体重を少し増やしたい場合に最適なフードといえます。
これがもし「糖質」30%、「食物繊維」30%のフードであれば繊維が多めです。繊維が多いということは血糖値の上昇が緩やかになるということ、つまり太りにくい食事といえます。
上記の数字はわかりやすいように少し極端な数値で考えてみましたが、こんな風に「糖質」と「食物繊維」に着目することで目指す健康状態にフードが良い影響を与えるかどうかを飼い主さんが考える材料にすることができます。
こんな風にフードの含まれる栄養素の比率にも着目し、犬1頭1頭に合わせて食事を選べるように、このようなラベルについての新しいルールが考えられているんですね。
2:ペットフードの用途=「ライフステージ」「総合栄養食」「おやつ」などの表記がよりわかりやすく、明確に


ペットフードにはそれぞれ用途があります。総合栄養食なのか、おやつなのか、療法食なのか。
これらの表記はこれまでもペットフードのパッケージに記載するようルール化されていましたが、さらにわかりやすさを追求して
「製品のパッケージ正面の下1/3の部分に明記する」
というルールが新たに加わりました。
これによってユーザーは、これまで「これは総合栄養食?それともおやつ?」と製品によって記載される箇所がバラバラであるため、パッケージをひっくり返しながらあちこち探さなくてはなりませんでした。でも今後はどの製品でも、「パッケージ正面の下の方」をチェックすれば一目瞭然となります。
子犬に関わる重要な変更
次に子犬に関わる重要な変更についてです。
成犬時に32kg以上になる犬種つまり大型犬や超大型犬ですが、これらの犬種のカルシウム必要量は、小型犬とは異なります。
特に子犬の時期は、適切なカルシウム量を守って摂取することが大切です。そのため、ざっくりとした子犬期という分類ではなく、子犬期用のフードであっても大型犬の子犬用の基準に合わないものはその旨を明記する必要がある旨が、今回の変更で追加されています。
そのため表記は、以下のようになります。
「パピー用(ただし成犬期に32kg以上になる大型犬や超大型犬を除く)」
犬には数多くの犬種が存在します。毛色や性格だけでなく、体の大きさという点でも非常にバラエティに富んだ生き物です。
そんな犬たちの体の大きさの違いが、カルシウム要求量も違いとなって現れます。
そしてその犬種に適切なカルシウム摂取量を超えて、多すぎるカルシウムを摂り続けることは骨の異常につながります。
そうしたリスクを回避するために、一歩踏み込んだ変更が今回加えられたということなのです。



犬っていっても体の大きさはいろいろだもんね。



超小型犬から超大型犬まで色々な大きさの犬がいるよね。その違いによってカルシウムの要求量が違うんだ。



子犬期にしっかりカルシウムを摂れないと、その後の成長にも影響しそうだね。



まさにその点が今回の変更の大事なポイントだね。大雑把な「子犬用」フードというくくりだと、カルシウムに特別なニーズがある犬種の子犬には合わない場合があるんだ。



そこを明確にして、ちゃんと犬種にあった子犬用フードが選べるようになっていくんだね!
「混ぜる用フード」の表記「Food Mixer」が新たに追加される
これまで「おかず」「トッピング」といったバラバラな表記で販売されていたものが
「Food Mixer」
という名称に統一されます。
「おかず」「トッピング」は、「総合栄養食」とは厳密に線引きされています。
「総合栄養食」は、これと水だけで体に必要なエネルギーが栄養素を取れるようバランス調整されているフードです。
「おかず」や「トッピング」は「総合栄養食」に乗せたり、混ぜたりして使用するもので、それら単体では必要な栄養素を全て賄うことはできません。
つまり「総合栄養食ではない」製品について、「Food Mixer」という呼称を共通で使用することで、はっきりとわかりやすく区別しますよということです。
この「Food Mixer」が日本語訳された際、どのような語が当てられるかは今後注目していきたいところですね。
3:原材料名の表記ルールがよりわかりやすく


「ペットフードの原材料名の表記がわかりにくい」
「よくわからない横文字の成分名を見ると、どういうものかわからず不安になる」
こうした声が聞かれるのは日本に限ったことではありません。そこでPFLMでは、原材料表記をもっとユーザーにわかりやすい表記に変えるよう推奨されています。
では具体的にはなにが変わるのでしょうか?
難解なビタミンの名称が、一般的でわかりやすい表記に
例えば「酢酸レチノール」と聞いて、皆さんはどういう印象を持つでしょうか?
化粧品に詳しい人であれば、「レチノールって最近、美容液に配合されている成分としてよく聞くな?その仲間???」と思うでしょう。
栄養学に詳しい人であれば「ビタミンだな」とピンときます。
しかしいずれにせよ、ある特定分野で使われる言葉という印象で一般的ではありません。
なのでこの点をわかりやすく「ビタミンA」と書きましょうというのが、今回の変更点の重要ポイントです。
私たちが普段口にする食品にもさまざまな食品添加物が使用されますが、酸化防止剤としてビタミン類はよく使用されています。
「トコフェロール」という名前を食品ラベルで目にし他ことがある人は多いはずですが、あれは「ビタミンE」のことです。
ビタミンA、C、EはビタミンACE(エース)と呼ばれ、抗酸化作用がある成分として知られています。
なのでコンビニで買うお茶などでも良く見かける身近なものです。
「ビタミンE」と書かれていれば、ああビタミンだなと思えますが、「トコフェロール」と書かれていると、なんだか怖い食品添加物なの?と感じる人もいます。
食品添加物自体は食品の酸化や腐敗から食品を守ってくれるものです。そのため健康と安全のためには適切な量を使用することで、深刻な食中毒(場合によっては命の危険がある食中毒もある)から私たち自身を守ってくれます。
でもこうした知識を持たないまま、よくわからない成分の名前を見ると不安になる人は多くいます。また成分名から、それが何のために加えられているかがわからないと安心できないという人もいます。
なのでこうした難解な成分名ではなく、私たちが普段親しんでいる一般的な名称で表記しましょうというのが、今回のルール変更のポイントです。
「オーガニック」の表記ルールがより厳密に
「オーガニック」と表記のあるフードは人気がありますが、実際に材料の全てがオーガニックなのでしょうか?それとも材料の「一部」だけなのでしょうか?
「一部」だとしたら、どの材料がオーガニックなのでしょうか?
この分かりにくかった点が、今回の変更で改善されます。
具体的には、オーガニックで生産・栽培された材料には「オーガニック」という言葉をつけるか「*(アスタリスク)」をつけて、原材料リストの下に脚注をつけるようルール変更されます。
例を挙げると
「有機ブルーベリー」「オーガニック・ブルーベリー」
と表記するか、
「ブルーベリー(*)」
「*:有機生産された原材料」
と表記することになります。
ちなみにここでいう有機の基準はAAFCOの定義する「オーガニック」です。つまりアメリカの基準ですから、これが日本に入ってきた際に、日本の有機基準とどう整合性を持たせるかは今後、ペットフードメーカーの課題となる点です。
この変更によってユーザーは「フードの中のどの材料が実際にオーガニックなのか」を自身でチェックできるようになります。
パッケージに書かれた商品名のイメージだけでなく実際に成分を確認することで、ユーザー自身が判断できるようになるということですね。
参考:日本での「無添加」の扱いは?
余談ですが、日本でも「無添加」という表示に対してガイドラインが制定され、厳しく管理されるようになりました。
以下は2024年に告示された、ペットフードの表示に関する公正競争規約からの抜粋です。
第8条 事業者は、次の各号に掲げる用語を表示する場合は、施行規則によらなければならない。
(1) 特定の栄養成分の含有の有無又は量の多寡(「高」、「豊富」、「含む」、「強化」、「ゼロ」、「低」、「減」等)の用語
(2) 「推奨」又はこれに類する用語
(3) 「受賞」又はこれに類する用語
(4) 「無添加」、「不使用」又はこれらに類似する用語
(5) 「ナチュラル」、「ネーチャー」又はこれに類似する用語
引用元:ペットフードの表示に関する公正競争規約 | ペットフード公正取引
https://pffta.org/pdf/regulations.pdf
要は「無添加」「ナチュラル」という言葉をやたらに使ってはダメだよ、使うなら基準を満たしてねということです。
人間の世界でも2024年から『添加物不使用』『無添加』の表示について厳格化が行われています。
「なぜ?」と思われる方のために解説しておくと、食品添加物の不使用の表示ルールは明確があいまいで、『無添加』が乱立状態であったこと、またそのことが「添加物=危険」という誤った認識を広げ、消費者の不安をあおること、
製品を実際よりよく見せるために使われる場面もあり、優良誤認につながるなどの事情があります。
すごくざっくりとまとめると、過去の食品添加物による事故や「食の安全を守る運動」のブームなどにより「添加物=よくないもの」というイメージが定着していましたが、その後の安全対策や、添加物自体の進化や安全性の向上についてはあまり知られないまま時代が進みました。
現在では、適切な添加物を適量用いることは食品を腐敗や酸化から守り、健康被害を事前に食い止めているという客観的な見方が広まりつつあります。
つまり「添加物=よくないもの」というストーリーは、そろそろ終わりを迎えようとしている時代に差し掛かっているといえます。
もちろん過去、健康被害の出るような添加物が流通していたのは事実ですし、人間よりも基準が厳しくないペットフードに関していうと、添加物については引き続き厳しい目で見る必要があるでしょう
しかしながら「添加物=悪」という単純化された過去の視点のまま「無添加=良い」が乱立したままの状態も
問題なのです。
だからこそ近年、それらの表示に厳しい基準が設けられたと考えることもできるでしょう。
4:「取扱および保存上の注意事項」の表示
そのフードをどう取り扱うべきなのか?は重要です。
例えば
- 子供の手の届かないところで保管
- 要冷蔵
- 要冷凍
- 使用しなかった分は冷蔵または破棄
など、取り扱いや保管上の注意はわかりやすく表示されるべきです。
この表示に関するルールは任意ですが、表示する場合はルールに従うようにPFLMは定めています。
以下はAAFCOが配布している取扱および保存方法を表示するためのアイコンです。
出典:https://www.aafco.org/pflm/handling-and-storage-icons/






これらを使用することで視覚的にぱっと見ただけで、そのフードをどう扱い、どう保存すべきかがわかるようになっています。
まとめ:ペットフードの知識を蓄え、納得のいく判断を
いかがだったでしょうか?
AAFCOのペットフードのラベル表記の最適化について、この記事では解説しました。
フードは犬にとって最も身近な食べ物です。
なのでそのフードを取り巻く様々動向にアンテナを貼り、常に最新情報に触れておくことは大切です。特にアメリカの動向はタイムラグを経て日本にも影響をもたらすため、飼い主さんが押さえて置いて損はない情報です。
このような動向も含め、犬の食に関する情報や知識を蓄え、愛犬にとって最適だと思える食事を飼い主が納得して選べるのよう備えておきたいですね。
(Office Guri)


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